2021/11/21 11:56

 僕は、プーマが好きだ。普段着には、何か必ずプーマを身に付ける。そこにあれば、落ち着くし、プーマは僕にとって水や空気と同じである。

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 いつ頃だろう、プーマと出会ったのは。昔なら良くある話だが、小学校の先生がつくった学校中心のサッカー少年団があって、自分もご多分に漏れず、そのサッカー少年団に入団していた。そう、プーマを教えてくれたのはサッカーだった。

 自分のプーマへのストーリーは、そこから始まった。チームの公式ジャージの色は「オレンジ」、試合用のユニフォームも「オレンジ」、小6の時に新調されたユニフォームも白地に中央に赤が大胆に走っているもの。そしてその時、友達より少し遅れて入団した私に、残っていたユニフォーム、その背番号は『14』であった。

 きっとオランダ'74が大好きだったに違いない、その先生は。オランダ'74、そしてアヤックスの中心にはクライフがいた。伝説の、2本線のアディダスのオレンジ・ユニフォームとスパイク。だからこそ、陰画として、逆説的に、強烈に、暴力的に、彩られる、そこには存在しない、プーマという個。
クライフはプーマであり、私にとって、プーマはクライフであった。

 当時はグラウンドで走って、ボールを蹴っているだけで、サッカー事情に詳しい訳でもなっかた私は、それがオランダ代表であり、それがアヤックスのユニフォームであることを、その時の私は気付くことはなかったが。気づいたのは、だいぶ経ち少年から大人になった、後のことである。

 ちなみに少年団公式のオレンジジャージもアディダスではあったが、ちゃんと3本線ではあった。



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